B4インクジェットプリンターってあるの?

エプソンのPX-6110F。B4印刷に対応する希少なインクジェットプリンター。

 

「B4インクジェットプリンター」ってこの世に存在するの!?(ジョニ談)

 

A4サイズが、地球上で(大ゲサか…。)統一された標準規格の主流となっているため、ほぼすべてのインクジェットプリンターはA4までが対応サイズである。各メーカー共々、対象が主流でないモデルは作りたくないのが本音だろう。

 

キヤノンのフラッグシップのXK90やTS8430や、エプソンのEP-883Aなど家庭用モデルのほぼすべての最大印刷サイズがA4である。キヤノンやエプソンの最新鋭たちはB5はもちろん印刷可能、写真もレーベルもスマホプリントにクラウド対応…なんでもできる、という感じなのだが、なぜかB4サイズの印刷はできないのだ。

 

書籍や小さめの雑誌を見開きで印刷したいとき、「B4用紙で印刷したい」と一度は思ったことがあるのではないだろうか?

で、実はというか、やはりというか、キヤノン・エプソン・brother・HPといった主要メーカーラインナップを見渡したところ、このB4対応のインクジェットプリンターはほぼ発売されてないのだ。

 

キヤノンにいたっては一機種もない。IP8730はA3に対応しているものの、ポスター制作専用マシンで、操作はPCから行なうという特殊なプリンターだ。キヤノンのMAXFYでさえ、ビジネス用でありながらもB4やA3には対応していない。また、エプソンからEP-982A3という家庭向けのプリンターが発売中だが、A3印刷はできてもひと回り小さいB4は印刷できない。

 

大は小をかねるわけではないのである。

 

手軽にB4を印刷できるインクジェットプリンターはないの?

エプソンとbrotherに少しならある。

 

サイト管理人からのおすすめの一台は、
B4印刷をしたい方にとって必ずや朗報になるとひそかに自信を持っているのだが、
エプソンのPX-M6011Fである。

 

 

サイト管理人は、B4印刷ができる一点重視でエプソンのビジネスモデルを使用し続けている。

 

最初に使ったのは、PX-M6011Fの三代前のモデルであるPX-1700Fという機種であったが、当時は「B4が印刷できれば、それで、いい」という気持ちだった。なにしろB4印刷できるモデルがこれ一台しか見当たらなかったのだから。

 

通常のインクジェットプリンターよりも置き場所はとるものの、
最大A3ノビから対応し、B4を中心に、L判まであらゆるサイズの印刷ができる
本体のデザインが写真で見る以上にカッコいいので、私の場合は大きさのデメリットは感じない。

 

高さが35センチ程度もあるので、デスク脇に置いて仮のサイドテーブルとして使っている。
これが意外と、いい。

知る人ぞ知る、PX-M6011Fの三代前のビジネスインクジェット、PX-1700Fである。

 

給紙トレイは2段で各250枚×2も入る。前面の操作パネルはチルトパネルで上げたり下げたり目線の高さに合わせて使うことができる。液晶はタッチパネルではないが、画面上のインフォメーションがわかりやすし、ガラケ―のようなレトロな操作感である。用紙を乱雑にトレイに投げ込んだ場合を除いて重送しないため、ストレスフリー。

 

動作音は静か?

それと購入しないとわからないのが動作音という要素なのであろうが、PX-1700の場合とても静かである。やたらとインクのメンテでガラガラやることなくガタイに似合わずおとなしい性格だ。

 

書類の印刷品質は、スペックとしての解像度は高くないものの、味わいのある印刷結果を得られる。シャープな印刷を求める場合は、「きれい」モードで印刷すれば、キヤノンのW黒(2種類のブラックインクで書類を美しく仕上げる独自のインクシステム)に引けをとらないくらい高品質な印刷結果を得られる。

 

PX-1700はビジネス用の大量印刷のためにリリースされた耐久性をウリにするインクジェットだった。しかしながら、印刷モードを変えればキレイな印刷も可能で、ビジネスに限定されず家庭用にもおすすめできる名機とわかった。

 

写真にこだわりにこだわりたい人はキヤノンのTS8430がおすすめであるが、B4印刷をしたい人、書類や雑誌を見開きでコピーしたい方には、計り知れない恩恵をもたらすので、サイト管理人の使用経験からもおすすめの一台である。

 

B4インクジェットも美を追求する時代?

以上は、10年ばかり前のモデルPX-1700Fのレビューである。

 

エプソンのビジネスインクジェットプリンターはモデルチェンジを重ねるたびに印刷スピード、印刷品質、動作音、操作性などあらゆる面で改善されている。

 

PX-1700Fはすでに生産終了となったが、ずいぶんと好評を博したため
2016年に後継機であるPX-M5041Fが、さらにその後継機のPX-M5081Fが発売された。


大きな改良点は、4.3型タッチパネルを新たに搭載、操作性が向上。そして、新開発ノズル採用で解像度(=画像のきめ細かさ)が360dpi→600dpiにアップ。書類の添付画像も美しく、文字もくっきり印刷できるようになり、ビジネスモデルでありながら、PIXUSやカラリオ(キヤノン・エプソンの家庭用モデル)の印刷に近づく画質となった。背面トレイの追加もされ、いっそうビジネスモデルらしくなった。

 

そして、2020年には、最新モデルのPX-M6011Fが発売される運びとなった。最新モデルでは、外観の洗練が施され、前モデル比で24パーセント小型化される省スペース設計となっている。また、印刷スピード(モノクロ印刷で約25ipm)もさらにアップされ、いっそうの業務の効率化が可能となった。耐久性においては15万枚印刷可能のタフネスマシンなので、これを機に検討してみてはいかがだろうか。

 

他にB4インクジェットはある?

エプソンの他にある数少ない選択肢としては
brother工業のウエブ限定モデルMFC-J6770CDWがある。数少ないB4印刷ができるインクジェットプリンターだ。スキャナの読み込み速度がかなり高速なので、スキャナ機能重視ならこちらがよいかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

さらなる耐久性と立ち上がりの早さを求めるなら

MFC-J6580CDW。2017年春にbrother工業から発売されたビジネスインクジェット複合機。
こちらもB4印刷が可能である。最大サイズはA3ノビ。

 

この点では上記で紹介したエプソンのB4プリンターと同等であるが、さらなる耐久性を求めるならMFC-J6580CDWがよい。最大15万枚まで印刷できるので、エプソンのそれ(5~8万枚)を凌ぐ。またファーストプリントが7秒と速い。その耐久性ゆえ家庭用としても重宝できるにちがいない。

 

ちなみに5万枚とは、一般家庭での使用程度なら10年かかっても印刷できるかどうかというたいそうな枚数である。

 

ただMFC-J6580CDWは、トレイが一段なので収納できる最大枚数は250枚+α(多目的トレイに100枚)、もっと用紙を収納したい方は上位モデルのMFC-J6980CDWがおすすめ。事業で大量印刷をする個人事業主の方に向いている。トレイが二段になり、タッチパネルがやや大きめになる。ランニングコストは同等だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、さらに上を求める方はフラッグシップ機のMFC-J6995CDWを。
2017年春発売のbrother工業のビジネスインクジェット3兄弟では、すべて耐久枚数が15万枚で同等であるが、少しずつ差別化がされている。MFC-J6995CDWだと、用紙一枚当たりのランニングコストが2人の弟よりも安いので莫大に大量印刷する機会が多い事業主の方に合っているだろう。本体価格は7万円程度。

 

 

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