MX923はキヤノンのA4対応ビジネスインクジェット。ビジネス・パフォーマンスを向上させる機能を凝縮搭載です。
MX923は、PIXUSシリーズの中ではビジネスタイプのオールインワン複合機である。FAX・ADFを標準搭載するだけでなく、高速のスキャナを搭載しているのも特長であり、ビジネス・パフォーマンスを向上させる。
給紙トレイが2段に分かれており、下段にはA4やB5を250枚まで補給しておける。
通常のモデルは100枚が限度であるため、スモールオフィスで大量印刷をする方に適した設計。上段には、L判やハガキを常時セットしておけるので分けた使い方が可能だ。
印刷速度は普通紙で10.0ipm(モノクロ)、15.0ipm(カラー)と高速。
L判カラー写真で18秒、A4カラー写真で44秒でまずまずの速さと言える。
MX923の書類が美しく仕上がるワケ
インクシステムにw黒(ダブクロ)というシステムを採用しているため、特に書類が美しく、文字がくっきりと精巧に仕上がる。
顔料ブラックと染料ブラックの二つの黒で、より鮮やかな印刷品質を得ることが可能に。仕上がった書類の一文字一文字のくっきり感には息をのむ。
インクタンクは5色の独立だ。左上がMX923のインクタンク。右から2番目の顔料ブラックのスロットには大容量インクタンクをセットした状態。
カラープリントも美しく
MX923がカバーしているのは書類だけではない、写真も美しく仕上げることができ、CDレーベル印刷も可能で、ひと通りの機能を網羅している。
5色ハイブリッドインクシステム対応なので、キヤノンのインクジェットプリンターでは、ハイスペックだが、MG7530など写真やカラープリントに特化したモデル(MGシリーズ)の6色インクにはおよばない。
MGシリーズは写真印刷の極限まで追求しているため、彼らが秀逸であるわけだ。
書類やファクス・スキャンなどビジネス機能を重視する方は、迷わずMX923を選択されたい。
一方で、カラープリントを重視するならMGシリーズだ。
MX923はそうぞうしい?
サイト管理人も1年以上愛用していたモデルだが、動作音がいささかにぎやかに感じられた。神経質な人にとっては、インクのメンテとやらでガラガラやる音がそうぞうしく感じられるかもしれない。
それに、排紙トレイの先端に直線のサポーターが飛び出すので印刷するたびに「カパッ!」と音がする。
排出された用紙が曲がらずきれいにそろうメリットはある反面、いささか耳障りかもしれない。
つまるところ一長一短というわけだ。
MX923のインクコスパは?
MX923のメリットにも少しふれておこう。メリットは、スキャナ・ADFによる両面高速スキャンで、小型ながらハイ・パフォーマンスであるが、インクコスパも、昨今の「インク減りすぎ」のプリンター事情の中では相対的に良好であろう。
大容量インクタンクでインクコスパを改善する方法は、キヤノン全体で2014年モデル以降当たり前になっているが、実はこのモデルがキヤノンではじめて特大BK(顔料ブラック)インクタンクを採用したモデルなのである。特大インクタンクの使用によって、A4判1枚当たりのインクコスパが2.2円にまで向上する。
上の写真からわかるように大容量インクタンクにはインクがたっぷり充填されているためその分インクが安くなる。少しばかりではあるが通常サイズのインクタンクに比べお得感が出る。
最近のプリンターは、どのメーカーでインク消耗が激しいので、その中で相対的にマシという印象だが、少しなりとも精神的なゆとりをもって印刷できる。インクタンクの大きさがもたらす安心感なのか?
MX923の値動きは?
発売されて以来、3年になる現役人気モデルであるためか、Amazonではあまり値崩れせずにほぼ横バイできているようで、しぶとく2万円少々~半ばのままだ。後継機種が出ると言われて久しいがいまだその気配はない。
最安値はその時々で微増・微減するが、おおむねは2万2千円程度である。
MX923 インク対応表 | |
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BCI-350(PGBK)-顔料 BCI-351(BK/C/M/Y)-染料 【標準5色セット】 |
BCI-350XL(PGBK)-顔料 BCI-351XL(BK/C/M/Y)-染料 【大容量5色セット】 |
L判写真一枚につき29.0円 コスパ★★★★★
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L判写真一枚につき24.9円 コスパ★★★★★
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参考価格(Amazon)…3582円 |
参考価格(Amazon)…4949円 |